【生命保険】貯蓄型保険は元本割れても今すぐ解約した方が得?

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以前の記事で、貯蓄型保険はお金の増えない手数料の高いボッタクリ投資信託だから不要だと学びました。

財形貯蓄保険には悪い点が5つあります。

貯蓄型保険が悪い点

①お金が増えない
②保険パンフレットの「積立利率」「予定利率」はダマシ
③手数料が非常に割高
④保証の薄い保険
⑤保険料控除も大した節税にならない

5つの悪い点を考えると、貯蓄型保険の上位互換の「掛捨て保険+正しい投資」にした方が圧倒的に良いです。保険は保険、投資は投資で割らないとボッタくられます。
しかし、解約した場合に元本割れしてしまうと考え、足を踏み出せずにいる人もいるのではないでしょうか?

「解約しようにも元本割れするので出来ないよ」
「継続すべき?元本割れしてでも解約すべき?」

このように、財形貯蓄型保険に加入したけど、元本割れに悩んでいる方向けに今回は説明します。
継続すべきか?元本割れしても解約すべきか?の2択ですが、結論、貯蓄型保険は元本割れても解約しましょう。

私はマニュライフ生命保険を5年4カ月契約しており、解約すると元本割れになりますが、それでも解約しました。私の例を参考に説明していきたいと思います。

まずは、加入している保険について現状を確認しよう

私の加入している保険は、変動型個人年金保険です。

変額個人年金保険とは

・保険会社が株式や債券等を運用し、その運用成果に応じて年金や解約返戻金の額が変動する保険。
・年金受取前に死亡した場合に受け取れる死亡給付金には、一般的な最低保証があるが、解約返礼金には最低保証はない。

私の加入している保険を例に、現状について詳しく見てみましょう。

保険会社マニュライフ生命
保険種類無配当外貨建個人年金保険(積立利率変動型)
年金種類10年確定年金
積立金を60~70歳まで支払い
70歳までに死んでも、遺族が年金を受けれる。
契約年数5年4カ月
払込保険料20,000円
円換算レート1 米ドル=139.59 円 ※22/11/14時点
積立金額9,851.68 米ドル(1,375,196 円)
解約時お支払金額8,196.60 米ドル(1,144,164 円)
差額231,033円
解約控除:積立金額 X 36% X (1ー経過月数/120)
※契約日から経過月数が120カ月以上の場合、解約返戻金額は積立額と同額になります。

解約した場合、損する額は-23万円で元本割れします。
137万円(支払った保険料)-114万円(解約返戻金)= 23万円(損する額)
23万が違約金のような形で取られるのは辛いです。。

毎月2万円を5年4カ月運用して137万円になったということは、複利2.7%ぐらいだったのですね。


複利2.7%ならそこまで悪くないように見えますが実際どうなのでしょう?
積立てNisaの中でもトップレベルの安定商品である「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の複利と比較をしてみましょう。

「積立NISA」の方が「積立年金保険」より54万円もお得だった?

積立NISA「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」の過去5年のリターン率です。

出典:楽天証券「全世界株式インデックス・ファンド」 2022/11/11時点の情報

過去5年の複利が約10.58%なので、マニュライフの複利の約4倍です!
こんなにも差があったなんて。。

前の記事でも説明しましたが、積立年金保険は大してお金の増えない手数料の高いボッタクリの投資信託です。
個人年金はただの投資なので、何の保険にもなっていません。
また、保険会社任せで運用商品を買っているので、何のファンドを購入しているかも分かりません。
保険は保険。投資は投資で割り切るのが大切です。

仮に、積立てNisaの「楽天・全世界株式インデックス・ファンド」を5年4ヶ月運用していた場合、何円になったのでしょうか?
複利は約10%なので、最終積立て額は168万円になります。


ではここで、「積立年金保険」と「積立NISA」を比較してみましょう。

直近5年4カ月
の運用結果
個人年金積立
(マニュライフ生命)
積立NISA
(楽天・全世界株式インデックス・ファンド
月額2万円2万円
元本128万円128万円
リターン(年率)2.7%10.58%
最終積立金額137万円168万円
解約控除ー23万円
※10年未満の解約で発生
0円
口座受取額114万円168万円
収支ー14万円+40万円

最終積立額は、積立NISAの方がマニュライフより29万円高いです。
そして、口座受取時には解約控除の影響もあり54万円も差が出ています。
もう積立てNisaの圧勝ですね。

積立年金保険で長年積立てても、複利の部分が悪いので積立NISAほどの収益を出すことができません。
年数が経てば経つほど、収益差は広がっていきます。
積立年金保険を早急に解約し、積立てNISAに投資しないと損ですね。

しかし、ここで本題の壁にぶち当たります。

解約したいけど積立年金の「元本割れ」をどう考える?

私もそうですが、解約時にこのように考えるのではないでしょうか?

いま解約すると元本割れするけど、今すぐ解約していいのか?
もう少し待った方がいいのだろうか?

元本割れを防ぎたいのは当然です。
私の場合、元本128万円から受取額114万円になるので-14万円
5年4カ月という貴重な投資期間も潰して訳ですから、絶対損したくないです。
慎重に見ていきましょう。

解約控除の計算式は?

まず、解約控除の詳細について見ていきます。

【マニュライフの解約控除】
解約控除:積立金額 X 36% X (1ー経過月数/120)
※契約日から経過月数が120カ月以上の場合、解約返戻金額は積立額と同額になります

137万円(支払った保険料)-114万円(解約返戻金)= 23万円(損する額)
この23万円は上記に記した解約控除の計算式でも算出できます。

元本割れが無くなるのは何年後?

積立年金保険は「加入」「継続」「解約」全て損です。買った時点で勝負はついています。
ですが、せめて支出±0円で解約したいです。
では、あと何年継続すれば元本割れを防げるか確認していきます。

前提条件として、リターン率は2.7%に置き計算します。

解約タイミング今すぐ
(加入5年4ヶ月)
1年9ヶ月後
(加入7年1ヶ月)
1年10ヶ月後
(加入7年2ヶ月)
4年4ヶ月後
(加入10年)
元本128万円170万円172万円240万円
リターン(年率)2.7%2.7%2.7%2.7%
最終積立金額137万円187万円189万円275万円
解約控除額23万円19万円19万円0円
口座受取額114万円168万円170万円275万円
収支ー14万円ー2万円+2万円+15万円
<解約控除計算>
今すぐ1,375,196円 X 36% X (1ー64カ月/120)=231,033円

1年9ヶ月後:1,871,129円 X 36% X (1ー84カ月/120)=196,469円
1年10ヶ月後:1,895,339円 X 36% X (1ー85カ月/120)=194,325円
4年4ヶ月後:2,751,708円 X 36% X (1ー120カ月/120)=0円

計算の結果、元本割れを無くすには1年10ヶ月の継続が必要だと分かりました。

貯蓄型保険を今すぐ解約した方が得!?

次の2つのパターンを比較し、「あと1年10ヶ月継続する」か「今すぐ解約する」のか決めましょう。

【パターン①】
 ・積立年金保険を1年10ヶ月継続(元本回収+2万円)
 ・元本回収後に積立てNISAを始める
【パターン②】
 ・積立年金保険を即解約(元本割れー14万円)
 ・即積立NISAを始める

20年後にどちらの総利益が多いかを確認します。

パターン①1年10ヶ月
(マニュライフ)
18年2カ月
(積立NISA)
月額2万円2万円
元本172万円436万円
リターン(年率)2.7%5%
最終積立金額189万円708万円
解約控除額19万円0円
口座受取額170万円708万円
収支+2万円+272万円
パターン①の20年後は+274万円です(2万円+272万円=274万円)
パターン②即解約
(マニュライフ)
20年
(積立NISA)
月額2万円2万円
元本128万円480万円
リターン(年率)2.7%5%
最終積立金額137万円822万円
解約控除額23万円0円
口座受取額114万円822万円
収支-14万円342万円
パターン②の20年後は+328万円です(ー14万円+342万円=328万円)

つまり、20年後の結果は、
パターン①よりパターン②の方が、+54万円も得します。
(仮に、積立NISAの複利3%に落としても+27万円得)

この結果を見た時、こう思う人がいるのではないでしょうか?

でも、1年10ヶ月継続して元本回収した後、積立NISAを20年したら良いのでは??
そこまで急ぐ必要ないよね?

確かに私も最初は考えました。
しかし、パターン②の方が得になる理由の1つに「複利の力」があります。
貯蓄型保険に比べ積立NISAの方がリターン率が高いです。
今回はリターン率5%で見ていますが、過去5年のリターン率は10%なので、さらなるプラスを生むポテンシャルを秘めています。
複利の力を発揮するには、年数がかかりますがその効果は絶大です。
あの天才アインシュタインはこう言葉に残しています。

アイン<br>シュタイン
アイン
シュタイン

「複利は人類最大の発明である」

積立NISAの満額を1年でも早く取り切り、次の投資に回す方が圧倒的に得です。
1年10ヶ月の期間を複利に使わないのは大きな損失と言っていいでしょう。

という訳で、結論が出ました。
私はこの貯蓄型保険を今すぐ解約し、積立てNISAに月2万円を入れます。

間もなく解約控除が0円になる人は続けても良いかもしれませんが、私のように解約控除が発生する人は一刻も早く解約し、積立NISAやiDecoに切り替えた方が得です。

最後に

「長い目で見た時、貯蓄型保険は今すぐ解約した方が得」だと結論を出しましたが、人間は「損失回避」の生き物です。目の前の損失を受け入れることができない人も多くいるはずです。
私も、この記事で計算するまでは受け入れることが出来ませんでした。
ですが、目の前の現状を冷静に判断し、損失を少しでも減らす対応を取りましょう。
投資は常にリスクがあり、損をする可能性を秘めています。
皆が損を回避できるよう情報を発信していきますので、これからもよろしくお願いします。

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