【資本論】資本主義社会の問題点

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こんにちは。
今回は、書籍「資本論について佐藤優先生に聞いてみた」から、資本主義社会が抱える問題点について紹介します。

資本主義社会の基本について知りたい方は、過去の記事も参考にしてみて下さい。

大前提:資本主義の「資本」とは

資本とは一体何なのでしょうか?
お金や土地など金銭的価値のことでしょうか?
マルクスは資本を以下のように定義しています。

資本とは

お金を儲けるための運動。
この運動を無限に続けるのが「資本主義」の仕組み。

資本の本質は無限に価値増殖を続ける「運動」です。

以下のようなイメージなります。
start:資本+価値
⇒資本(増殖)+価値
⇒資本(増殖)+価値
⇒資本(増殖)+価値

資本が価値増殖をやめれば、それはもはや資本ではありません。

例えば、元手となるお金でカバンを作って販売したら、元手に儲けが加算されたお金が手に入ります。そうして手にしたお金でさらに売れそうなカバンを作り・・・という具合に運動をひたすら繰りしながら儲けをどんどん大きくいきます。

儲かるのであれば商品は何でも構いません
使用価値も添え物に過ぎないのです。

資本主義の問題点

無限の価値増殖で、サービスやモノが生み出され続け、私たちの暮らしはどんどん便利になっていますが、そこに問題点はないのでしょうか?

問題はもちろんあります。
「人」と「地球環境」の2つに大別し問題点を見てみましょう。

人の問題点

資本主義社会においての人は、資本家と労働者に分類できます。
その格差は大きく、不利な労働者には多くの問題を抱えます。

資本主義の問題点(労働者)
  • 資本家が有利で、労働者が不利な社会
    ⇒格差が広がり続ける
  • 過労死が無くならない
    ⇒労働者を長時間働かせれば、それだけ資本家は儲かるので、資本家は労働時間を延長使用する
    ⇒資本家は今だけ儲かれば良いので、労働者を酷使する
  • ブラック企業でもやめられない
    ⇒「自らの自由意思で自発的に働いている」という自負心があるので、我慢してしまう。
  • 給料が上がらない
    ⇒労働者の賃金を限りなく抑えようとするため、ワーキングプアが生れる。
    ⇒グローバル化やリモートワーク、再雇用制度で、安い賃金の外国人や、年金受給の高齢者と
  • 生活残業が無くならない
    ⇒日本社会では、賃金が増加しないにも関わらず住宅ローンや物価高で支出が増え続けているので、余裕がない家庭は、生活残業を行う傾向がある。
  • 出来高制で搾取される
    ⇒労働者にも資本家にもメリットがありそうだが、実際は資本家だけ得をする制度。
    ⇒労働者同士の対立や競争を利用し、労働者の賃金水準を下げられる。
  • 非正規や派遣社員が増加する
    ⇒賃金を抑えるためのシステムなので、資本家にとってプラスの存在。
  • 分業でやりがいが奪われる
    ⇒誰でも出来る単純作業で、やりがいがなく安い賃金で労働させられる。
  • エッセンシャルワーカーが低賃金・長時間労働になる
    ⇒エッセンシャルワーカーとは、社会の存続に必要な不可欠な仕事を行う人で、介護職や医療従事者など。
    ⇒労働の分業で、構想と実行にわかれ、マーケティングやコンサルタントなどの構想職が高収入で、医療職などの実行職が低賃金になるいびつな構造を生み出した。
  • 機械の奴隷になる
    ⇒機械化により労働密度が上がり、より過酷な労働を強いられる
  • AI導入で失業が増える
    ⇒ルーチンワークはAIに代替される。頭脳労働者も安穏ではない。

このように労働者には不利な点がたくさんあります。

地球環境の問題点

では、地球環境はどうでしょう?

資本主義の問題点(地球環境)
  • 自然が修復不可能なまでに破壊した
    ⇒価値の増殖は無限だが、地球の自然資源は有限
  • 生態系と資本主義は共存不可能
    ⇒資本システムは無限増殖する運動なだけで単純。
    ⇒自然の生態系のシステムは複雑で、1つがダメージを受けると連鎖的にダメージが生じる。
  • SDGsでだけで環境問題は解決しない
    ⇒人類の経済活動が与える環境負荷は大きい。
    ⇒経済成長諦めるという、資本主義システムの見直しが必要不可欠。

こうみると、資本主義社会に限界が来ているようですね。

まとめ

今回は、書籍「資本論について佐藤優先生に聞いてみた」から、資本主義社会が抱える問題点について紹介しました。

問題は主に「労働者」と「地球環境」に生じており、内容を見ると資本主義社会の限界を感じます。
会社でいくら頑張り続けても拭いきれない不安感や、成果を出しても増えない給料などは、資本主義社会が生み出す問題だということが分かりました。
SDGsを頑張っても、利益を追求する限り地球環境が破壊されることを考えると、仏教における「足るを知る」ことが大切なのだと思いました。
本当に必要なモノだけというミニマリストの考え方は、資本主義社会に歯止めをかける上でも有効なのかもしれませんね。

以上です。
ありがとうございました。

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